【レポート】急拡大するシェアサイクルサービスの概要ーMaaS実現に向けたAWS活用 #CUS-23 #AWSSummit

【レポート】急拡大するシェアサイクルサービスの概要ーMaaS実現に向けたAWS活用 #CUS-23 #AWSSummit

Clock Icon2021.05.17

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

この記事では、5月12日に行われた AWS Summit Online 2021 のオンラインセッション『急拡大するシェアサイクルサービスの概要~MaaS実現に向けたAWS活用~ (CUS-23)』の模様をレポートします。

セッション概要

"新たな移動手段として注目を浴びているシェアサイクルサービスへのAWS活用と今後のMaaSを見据えた展望について語ります" 近年、新たな移動手段として注目を浴びているシェアサイクルサービス。既存の交通機関を補完する手段として、通勤や観光など様々なシーン・エリアで利用が拡大してきています。本公演では、急拡大するシェアサイクルサービスの概要とシステムについて、ドコモ・バイクシェア社の取り組みおよび、今後のMaaS(Mobility as a Service)を見据えた展望について語ります。

登壇者

株式会社 ドコモ・バイクシェア 代表取締役 堀 清敬 氏

レポート

Agenda

  • シェアサイクル事業の概要
  • シェアサイクルシステムにおけるアマゾン ウェブ サービス(AWS)の活用
  • シェアリング事業の将来

シェアサイクル事業の概要

シェアサイクルとは

  • 乗りたい時に借りて、行きたい場所で返すことができる自転車のシェア(共有)サービス
  • 自転車は車両に搭載されたアタッチメントで管理され、アプリから予約・利用することが可能
  • 現在、会員数:95万人、ポート数1560カ所、車両台数13900台
    • 利用回数は年々2倍ずつ増加しており、2019年は1200万回(コロナ禍の2020年はそれを超える見込み)
  • 都市型:市民の交通を補う二次交通の一つとして設置
  • 観光促進型:観光交通を補う形で設置、レンタサイクルの代替など

システムの特徴

  • 車両は保険に加入している
  • GPS/準天頂衛星でデータ管理
  • ICカード決済対応
  • 電動アシスト自転車
  • ポート設置も簡単で導入コスト30%以上削減

バイクシェア社がめざすもの

  • 自転車のほかに鉄道、タクシー、バス、カーシェアなど様々なモビリティで使えるようシェアリングプラットフォームを目指す
  • 導入事例
    • NAVITIMEと連携:最適なルート検索
    • Ringo Passと連携:RingopassアプリにSuicaを登録すれば、タクシー配車・決済も、シェアサイクルの利用・決済もワンストップで行える
    • Myrouteと連携:「全国の公共交通機関を含めたルート検索機能」と「予約・決済機能」に加えて、横浜ならではの交通サービスや観光情報を連携
    • 電動小型モビリティー「ILY-Ai(アイリーエーアイ)」の実証実験を三井アウトレットパーク幕張内や海浜幕張駅周辺で実施

シェアサイクルシステムにおけるAWSの活用

システム更改検討当時の課題

  • 利用者の急拡大に伴いシステムの負荷が急激に上昇
  • サービス立ち上げ時のプロダクト(システム・アプリ・ハード)のため柔軟性が無い

この課題を解決するためにAWSを選定

  • 短期間で導入するポイント
    • AWS導入実績の豊富な企業へのコンサル依頼・ベンダ選定
    • AWS導入ベンダと既存システム開発ベンダのプロジェクトマネジメント調整
    • VM importへのチャレンジ(旧環境がVMwareのため)

AWSでシステム更改

  • システム全体像
    • 各種プラットフォーム内のアプリケーションとの連携:Lambda+API Gateway
    • 基幹システムとモバイルデバイス(バイク)との連携:EC2+IoT Core(FreeRTOSとMQTTで通信)
  • アプリ、ハード側の改善
    • UI/UXを見直し使いやすさを追求しつつAmazon API Gatewayを活用し新機能も追加
      • 自転車バッテリー残量表示、ポート車両台数の表示など機能追加
    • 使いやすさ・メンテナンス性・耐久性を追求しつつAWS IoT活用による双方向通信を実現
      • 音声・LEDによる操作サポート
      • パスコード入力からQR読み取りへ
      • 耐久性向上、低消費電力化
      • デバイス取り付けハードも汎用性高く

AWS導入効果

  • 利用増のボトルネックがシステムでなくなった
  • AWS Lambdaを活用した MaaS事業者とのスピーディな連携
  • 新サービスをスピーディに開発
  • 監視業務の外部委託化を実現

今後のチャレンジ

  • AWS IoTを活用した新機能によるサービス性の向上
  • 連携パートナーのさらなる拡大
  • オペレーションデータの分析・活用による業務効率化

所感

需要増に素早く応える柔軟性の高いシステムを作るにはクラウドへの移行が良い結果を生むということがよくわかる内容ですね。

私も仙台市の「DATE BIKE」にて本システムを1度利用したことがありますが、鉄道やバスの乗車時刻に縛られず、自由度の高い移動手段として良い印象を持ちました。

交通手段の決済システムを統一してくれると、利用しようと思うハードルが個人的に下がるのでプラットフォームの統一は期待したいです。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.